年に一回、世界中で多くの人々が歓声をあげて祝う日、それはクリスマスです。イエス・キリストがこの世に命を授かった日であり、本来はキリスト教の祝日でした。しかし、現在ではキリスト教徒だけでなく世界各地で聖なる夜を大切な家族や恋人たちと共にして、ご馳走を食べるという習慣が誕生しました。

ここでは簡単に、ヨーロッパにおける伝統的なクリスマススイーツのレシピをご紹介していきましょう。まずはイタリアでは、「フォカッチャ」という焼き菓子がクリスマススイーツとして13世紀から食されています。「フォカッチャ」は小麦粉と砂糖・イースト菌だけを使用したシンプルなレシピで、仕上げに砂糖をたっぷりと溶かしたミルクでコーティングをするのが特徴です。イタリアでは「サンタのブーツ」という愛称で呼ばれており、全長25センチメートルの大きな焼き菓子です。クリスマスの日に家族が分け合って食べるのが伝統です。
フランスに至っては、日本と同じく生クリームのケーキを食べる伝統があります。日本でケーキをクリスマススイーツとして位置付ける起源になったのがフランスで、こちらでは真っ白の生クリームではなくチョコレートクリームで真っ黒な外観をしているという違いがあります。オランダのクリスマススイーツはワッフルで、1000年前から各家庭でクリスマススイーツで食べられていました。レシピは非常に簡単で、熱したプレートのうえにミルクと混ぜた小麦粉を流し込むだけです。オランダでは肉料理と合わせて食べるのが伝統であり、スイーツといっても甘くないという特徴があります。
イギリスで愛されているクリスマスのスイーツは、「チョコフォンデュ」です。日本でも最近はレストランで食べられるようになったもので、ブラックチョコレートを溶かしてフルーツやマシュマロに塗って味わいます。フランスでは17世紀ごろからクリスマスで食べられるようになりましたが、もともとは戦場の兵士たちが味わっていたものです。当時のレシピでは野菜をチーズでコーティングをしていましたが、19世紀ごろにカカオ豆が交易品で手に入るようになり、チョコに変化を遂げるに至りました。オーストリアでは「サンドグラッセ」というお菓子が伝統的なスイーツです。砂糖を固めたグミのようなお菓子で、正方形の形をしているのがポイントです。
レシピは各家庭で異なりますが、上白糖を使用して周囲に小さな飴を付けて食卓に並べられます。クリスマスの象徴であるダビデの星を模しているのがポイントです。