抹茶は日本の伝統的な飲み物ですが、固形物の食べ物にエッセンスが利用されています。特に多く用いられているジャンルはスイーツです。お茶の成分としては、とても粒子が細かくて風味が豊かであることが特徴となっています。温度や湿度の影響を受けて変質しやすいという欠点はありますが、それは繊細な味を表現できるデリケートな要素の裏返しでもあります。トリュフなども同様ですが、このような上品な表現が可能な食材はさまざまなスイーツに使われるようになってきました。

特筆すべきは、洋菓子だったはずのものが和菓子のジャンルにも入っていることです。たとえば、アイスクリームは洋菓子の代表格でしたが、和菓子屋でも抹茶風味のものが提供されています。それどころか、スーパーやコンビニの和菓子コーナーでさえ、抹茶味のアイスはもはや定番となりました。特に大人向けの高級アイスにおいては、年齢層との相性の良さによってトップクラスの人気を誇っています。同じように、ジェラートに使われることが多くなっていますが、いずれにせよ明確な理由があるので覚えておきましょう。
それは子供の頃から日本茶に慣れ親しんでいるということです。もはや遺伝子レベルで浸透しているといっても過言ではありません。そのため、極端に美味しいと思わない人でも、素直に受け入れられるということです。さらに、ヘルシーであることも大きな理由の一つです。チョコレートなどと比べてカロリーがとても低く、体に良いといわれる成分もたくさん含まれています。それだけでなく、視覚的に美味しそうに見えることもポイントです。成分が入ることで自然と緑色になりますが、グリーンには人の心を穏やかにする効果があるとされています。それは自然をイメージすると分かりますが、人間も動物であることを本能的に思い出し、それによって食欲が増大するという説もあるのです。
このように、さまざまな可能性を秘めているエッセンスなので、ジャンルを問わずに使われるのは当然といえます。そのメリットに目を付けているのは、日本のスイーツ職人だけではありません。「抹茶生千代古齢糖ケーキ」や「茶の菓」などは、世界的な知名度も高まっています。前者はとても重厚感がありますが、高級な印象を与えるのはやはり抹茶が使われているからです。後者も同様であり、ホワイトチョコレートの相性が抜群に素晴らしいです。このように、主張しすぎずに他の食材を活かせることも抹茶の強みとなっています。