日本でも大人気のスイーツである「クレープ」は、フランス北西部のブルターニュが発祥の地と言われています。ブルターニュ地方は雨が多くて小麦の栽培には適していなかったため、人々はパンの代わりにそば粉を使った「ガレット」を作って食べていましたが、19世紀に入るとそれまでのそば粉にかわり小麦粉が使われるようになり、現在のクレープの原型ができました。しかし、本場フランスではスイーツというよりも食事として食べられることが多く、甘いクリームやフルーツを乗せてラッパ状に丸めた日本のクレープとは異なり、卵やチーズ、ハムなどを入れて包み、ナイフとフォークで食べるのが一般的です。
本場フランスのクレープのレシピは、薄力粉が125グラムと卵が3個、バターとサラダ油がそれぞれ40グラム、グラニュー糖30グラムとミルクが375ミリリットルが基本で、これにあればグランマニエ酒とオールドラム酒がそれぞれ大さじ1杯に、すりおろしたオレンジの皮を適量加えます。まず始めに焦がしバターを作るため小鍋にバターを入れて弱火にかけますが、火にかけている間は手を加えないことが鉄則です。
バターが溶けると大きな泡が立ちますが、次第にそれが小さくなってくると少しずつ色づいてくるので、明るい茶色を目途に火を止めて冷やします。
次に卵を全て割り入れて泡立てないようにしながらしっかりとほぐし、きれいに混ざったらサラダ油と焦がしバターを加えて、十分になじんだらグラニュー糖を加えます。
次に薄力粉を入れて卵液に練り込むようにゆっくりと混ぜ込み、あればこのタイミングでグランマニエ酒とオールドラム酒、オレンジの皮を入れて、最後に牛乳を少しずつ加えながら生地を伸ばしていきます。
全体が均一になじんだらラップをかけて、冷蔵庫で1時間程度休ませたら生地の完成です。焼き方は、大きめのフライパンにサラダ油を薄くひいてから生地を流し込み、生地にぽつぽつ穴が開いて縁が乾いてきたら、生地の半分のところに箸など細長いものを入れて持ち上げひっくり返して、裏面も軽く焼いたら完成です。
全ての生地が焼き上がり粗熱がとれたら、乾燥を防ぐため全体をラップで包んでおき中に入れる具材を用意します。食事の場合ならハムやベーコン、チーズなどとの相性がよく、スイーツならば生クリームやチョコレート、フルーツ類、アイスクリームなどがおすすめです。
なお、食べきれなかったクレープは冷凍することもできますが、薄いため乾燥しやすいのでなるべく早めに食べきるようすることが大切です。